毀誉褒貶2019年03月09日

先日エコキュートのセールスが来た。旧式の灯油式給湯器をいまだに使っているのを見て、灯油を補給するのは面倒でしょうとエコキュートのメリットを挙げて強く勧誘してきた。
しかしエコキュートはいまだに評価が定まらない技術に思える。
エコキュートはもともと原子力発電の夜間余剰電力を緩和するのに極めて有望な技術ということで開発が始まった。地球温暖化対策としては電力を化石エネルギーに頼らず、自然エネルギーや原子力エネルギーによるのが理想的だが、原子力発電は昼夜にかかわらず一定の発電量を保つ。このため余剰となる夜間電力で湯を沸かすのは極めて合理的。その際、COP(エネルギー消費効率)の高いヒートポンプを使うことで理想的な給湯器が作れるという期待の星だった。しかし原発事故により原子力発電そのものが否定されるようになってエコキュートは梯子を外された形になった。
発電量調整が可能な火力発電や昼間だけしか発電できないソーラー発電では夜間電力利用は意味がなくなる(ただしソーラー発電と組み合わせる場合、夜間炊き上げでなく昼間の炊き上げに変えることで生かせる可能性はある)。
さらに貯湯式であることで生ずる幾つもの不都合や、深夜駆動時の振動騒音などが評価を落とす。そしてヒートポンプという機械方式であることによる故障や整備の頻度増加や設備の寿命対コストの課題もある。大きな貯湯タンクのスペース占有にも抵抗がある。エコキュートにも良い点はあるのだが、これらの問題の解決を待ちたい。

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