Windows10のブルースクリーン(2)2021年04月16日

PCのブルースクリーンは解決したつもりでいたが話には続きがあった。
このWindowsの修復のためにUSBや外部インターフェースを全て外したのだが、その時SDカードも外した。これには大量の音楽CDを収録してあったが、又聞こうと再度セットアップしてみたら全く認識しない。どうもSDカードが破損しているようだ。そこでWindowsがブルースクリーンで立ち上がらなくなった真の原因がこのSDカードの破損ではないかと思い当たった。前回全く再起動できなくなったWindowsが立ち上がったのはUSBやこのカードなどを全て外した後だった。問題のあったアプリを削除しただけでなぜWindowsが致命エラーを起こすのか不思議だったが、直接原因は付けっ放しのSDカードが破損したことによると考えると辻褄が合う。(アプリとSDカード破損は因果関係がありそうだが)
まずSDカードの修復をしようとしたがエクスプローラ上ではSDカードを全く認識しないので打つ手がない。別のSDカードだと問題なく認識するのでこれは深刻な破損と推定された。そこでWindows上での解決を諦めMSDOSプロンプトを起動してDOSレベルでの修復を試みた。しかしDOSプロンプトでもSDカードの本来のディレクトリE: が検出できないのでDOSのchkdsk命令によるディスク修復も実行できない。 自分の認識不足だがSDカードがこんなに簡単に致命的な故障をするとは想像もしていなかった。書き込みの繰り返しで故障しやすいということは知っていたので読み出しだけの音楽ファイルなら問題は起こらないだろうと甘く考えていた。しかしこの種のフラッシュメモリは経時的にもPCの異常動作などの多種の要因でも消失や破損しやすいものと認識しておいたほうが良さそうだ。従って音楽ファイルなどを長い期間保存するには向かない。このため対策として音楽ファイルをPCのHDD内に保存することにした。HDDでも故障する可能性はあるのだが長期間の保存の信頼性という点ではSDカードよりもずっと高いだろう。苦労して蓄積した音楽ファイルをまた一からやり直すのは何だかシーシュポスのギリシャ神話を体現しているようでうんざりだが。

CDプレーヤの整備(4)2021年01月22日

CD再生時の音飛びの問題はピックアップ位置スライド機構の整備後全く発生しなくなった。暫くの間音楽CDを聴き続けたが操作が面倒臭くなってきた。やはりPCに音楽ライブラリを作ってそこから供給するようにしたい。PCとオーディオ機器とのインターフェースであるDACを買おうかと思ったが何を選べばいいのかさっぱりわからないので当面簡易法で行くことにした。PCのアナログ出力(ヘッドホン出力)をプリアンプに入れるだけの可能性を吟味。まずPCのアナログ出力特性がどの程度のものかわからないので周波数特性を調べてみた。Youtubeの正弦波テスト信号サイトで20Hz~20kHzの信号が得られるものを見つけて再生してみた。出力はオシロスコープで見ながら概略の再生周波数特性を把握。100Hz~20kHzの間の周波数レスポンスは0~-3dB以内に収まっていた。但し音源のレベルがどのくらい一定なのかはわからないが一応信用するとしてPC内の音声処理系の再生周波数特性はアナログ出力まで含めても使用可能と判断。次にPCでの音楽CDの読み込みと圧縮ファイル生成の品質を確認してみた。ソフトも持っていないのでwindows付属のメディアプレーヤで標準のwma形式ビットレート96kbps設定での音楽データを生成して聞いてみた。思ったより良い音だがたまに音のおかしいところがある。音楽CD1枚分で容量は35MBしか使わないので20倍近い圧縮を行っているせいかやはり難がある。いくつか試した結果、mp3形式でビットレート192kbpsが音質的にもサイズ的にも満足できると結論。この場合、12曲を収納した音楽CD1枚分のデータ総容量は約62MB程度となった。今は大容量のSDカードも安いのでCDRよりもずっと安いコストで済む。これでもCDの元のサイズの十分の一くらいのメモリーサイズに収まっている。使ってみた感じではオリジナルのCDからの劣化も少なく、パソコンで選曲操作がすべて可能なので今更の話だがCDプレーヤとは使い勝手が雲泥の差だ。結局苦労して直したCDプレーヤは使わなくなりそうだ。

CDプレーヤの整備(3)2021年01月14日

ピックアップ位置を決めるラック歯の2枚重ね合わせ位置をずらしてはみたがやはり気になった。定量的な裏付けもなくずらしてスプリング荷重を上げるのはどう考えても禁じ手である。それに荷重を調整することよりもラックの滑りを良くすることが基本である。
このため3回目の分解を行った。何回も繰り返していると非常にスムーズに分解組み立てが出来るようになる。CD駆動部の2枚重ね合わせのラック歯噛み合い位置を元通りに戻し、グリスを可能な限り拭き取った。摺動部を動かして馴染ませる。できれば潤滑剤を塗りたかったが手元にあるのはCRCくらいであり、樹脂材料への悪影響も心配なので使うのはやめた。この状態で組み直して暫く使うことにする。

CDプレーヤの整備(2)2021年01月13日

温度の影響を調べるために朝方の冷えた状態からCDを聞いてみた。やはり音飛びが起こる。そして室温が上がると音飛び現象は少なくなるがまだ偶に発生する。このことからピックアップ以外の要因としてピックアップ位置を制御する機構動作の問題があるかもしれないと考えてみた。再度ミニコンポを分解してCDプレーヤの調査を始めた。機構を小一時間観察した結果次のことが分かった。ピックアップはラック歯によるスライド機構の台に取付られてラックの出入りによって位置がスライドするようになっている。ラックは噛み合う平歯車の回転角により位置が変わる。そして平歯車はサーボモータからの駆動により回転角を変える。サーボモータはCDトラックの読み取り信号によりピックアップが狙い位置になるようにサーボ制御している。問題はラック歯車と平歯車の噛み合い部分で、ラックの歯が普通の歯ではなく、2枚のラックが重ね合わされ、その間にスプリングが入って突っ張り合っている。この状態で2枚のラックの歯が平歯車の歯を挟むように噛み合っている。つまりギヤの噛み合い時にどうしても生ずる隙間によるバックラッシをゼロにするように巧妙なダブルギヤ機構を形成している。ここにグリスが塗られているが経時的に硬化していて噛み合い動作やダブルギヤ動作の抵抗となって邪魔するかあるいは2枚のラックのグリスによる張り付きの可能性がある。このため温度が低いほど位置のエラーを生じやすいと考えられる。これを解決する手段としてはグリスの介在による抵抗に勝てる力で歯を押し付けることが考えられる。そのためにラック歯間に与えるバネ荷重を大きくするのも有効かもしれない。試しにラック歯の噛み合い位置を1歯分だけずらし、スプリングをより圧縮して荷重を増やした状態で平歯車と噛み合うように2枚のラックの相対合わせ位置を変更してみた。この状態で組み直して作動テストを開始。音飛びは無いように見える。ただ低温の状況をまだ十分作りきれていないので検証は十分でない。
但し、2枚のラック歯がグリスによって張り付いていた場合スプリング力を増さなくても単に2枚のラックの張り付きを改善するだけのほうが良いかもしれない。スプリング荷重を増やすことは2次的な悪影響を生じる可能性もあるので。

CDプレーヤの整備2021年01月12日

20年くらい前に買ったミニコンポがある。ONKYO製でCDプレーヤとMDレコーダを備えているので大変便利。特にMD機器はもう製造中止で手に入らないので貴重。しかし最近CDを再生中に時々音飛びが起こるようになった。PCで焼いたCD-Rだけでなく市販の音楽CDも音飛びを起こす。CDのピックアップはトレイの中に隠れて見えないので掃除もできない。もう寿命だろうと思ってあきらめていたが、今日は思いきって分解してみることにした。この種のミニコンポは中が非常に密度高く組上げられていてCDのユニットに到達するためには色々なユニットやら配線やらを外さなければならない。2時間くらい苦労してやっとCDユニットに到達。レーザーピックアップ部分のレンズを見ると思った程汚れていないので見当が外れた。一応綿棒をアルコール液に浸してレンズ表面を掃除した。ピックアップはKSS213Cという形式名が確認できた。ネットで調べてみると入手可能のようなので安心した。最悪ピックアップがだめの場合でも入手できる。ピックアップにはレーザー出力調整用と思われる半固定抵抗器が付いていて回したい誘惑に駆られた。しかし素人が測定器無しに無暗にいじっても壊してしまう可能性があるので我慢した。まずはレンズ清掃だけで様子を見てそれでもだめなら最後の手段としてこの部分の調整をすればよいだろう。分解したものを逆の手順で組み直した。費やした総時間約4時間。試聴した限りでは音飛びを感じない。しかし周囲温度条件など色々変えてみないと実際のところ直ったかどうか判定できないので暫くテストを継続する。

オーディオラックを作る2020年12月02日

自作の真空管アンプの動作チェックをしたら6CA7のアンプの電解コンデンサから液が漏れて壊れていた。代替部品を手に入れないと使えそうにない。次に別の6GB8のアンプの方もチェックしてみたがこれはまだ大丈夫だった。やはり長く使っていないとコンデンサ類は傷みやすいようだ。しかし今は置く場所がなくて実験的にしか使えない。そこで収容ラックを作ることで常時使えるようにしたい。既存のラックは高さが低く管球アンプが置けないので今日はその上に重ねるように置く追加ラックを作ってみた。棚板は物置にあった棚板750x400mmを使い、その四隅に丸棒を切った長さ200mmの足を板の上から木ねじで係止しただけの簡素なもの。かかった費用は大きなM6x50mmの木ねじが90円のみ。強度的には心配があるが力を加えてみた感じではなんとかいけるか。早速物を置いてみたので写真に撮った。一番上にプレーヤ、その下に6GB8のパワーアンプ2台、さらに下がプリアンプ。部屋が狭いため物だらけになるのが嫌だが今まで置き場所がなくて困っていた問題は解決した。しばらくこのまま使って耐久性や使い勝手を確認したい。しかし丸棒をのこぎりで4本切り出しただけで手指がこわばってしまうのには参った。腕の筋肉が思ったより衰えているようだ。

オーディオアンプの妄想(3)2020年11月29日

前回、直流キャンセル用の6CA7のカソードに定電流回路を入れることを思いついたが、どうも違和感があった。それは定電流回路の周波数特性。理想的には定電流回路が高いインピーダンスを持ち、それが広い周波数特性と優秀な過渡応答性を持たないとそもそも目論見が成り立たないのではないかということ。だが実際にこのような特性の定電流回路の実現が可能なのか良くわからない。そのような特性の定電流回路が得られたにしても、それで構成されたアンプの回路全体のシミュレーションや計算なりをやって入力対出力の特性を客観評価しないととんでもない誤りを起こしそうである。そのため現在は思考実験の途中で挫折中。シングル出力管で理想のアンプを目指すのはやはりかなりの困難を伴いそうであり、解自体が無いかもしれないとも思えてきた。
これとは関係なく仕事で全く別の課題を取り組んでいたときもそうだったが、最初良いと思われるアイディアからスタートしても考えを進めるうちに考え方の間違いや解決困難な問題が必ず立ち塞がる。どうしてもブレークスルーが思いつかない場合、そのアイディアは素性が良くなさそうだと捨てて別の方向からアプローチするように方向転換することが少なからずあった。この思い切りが功を奏したこともあったし、諦めるのが早過ぎて判断を見誤ったこともあった。見誤るのはいつでもその問題への知見の不足や深く考え抜き切れなかった場合だったようだ。技術的判断というものはいつの場合でも難しい。

オーディオアンプの妄想(2)2020年11月21日

前回、真空管のプッシュプルアンプをシングルで使うには単に片方(ダミー側)の球のグリッド入力をなくしただけでは駄目だという結論になった。理由は球のEp-Ip特性カーブに傾きがあるためである。それならばこのEp-Ip特性をEp変化の範囲内で完全フラットにすることでEpが変化してもIpは一定値を保つようにしてやればよい。これを実現するためにはダミー側6CA7のカソードに定電流回路を組み込むことでプレート電流の一定化を図ることが可能になる。これにより、まず電力増幅を担う一方の6CA7のプレートには入力信号に応じた交流電圧が生じ、この電圧はトランスの一次巻き線を介してもう一方の6CA7(ダミー)のプレートにも同じ振幅でかつ逆位相に加わる。しかしダミー側の6CA7のカソードには定電流回路が直列に入ることにより、出力トランスの一次巻き線上の交流電圧出力が変動してもダミー側6CA7のプレート電流は全く変動しない回路動作になる。従って6CA7は一本だけが電力増幅管として動作し、ダミー側の6CA7はその電力増幅に何の悪影響も与えない単なる直流キャンセラーとして動作する。この結果完全なシングルアンプとしての動作が実現できる。わざわざシングルアンプを組むのにこのような複雑で効率の悪いことをやる必要はないが、出力トランスへの悪影響のないシングルアンプが理論上可能となる。実際に6CA7を3極管接続した理想的なA級シングルアンプの特性がどれだけ期待できるものかはわからないが、アマチュアの興味で試してみるのも面白そうだ。6CA7の三結A級プッシュプルアンプと6CA7の三結A級シングルアンプを出力トランスというパラメータ除外した形で聞き比べることが可能となる。

オーディオアンプの妄想2020年11月17日

プッシュプル電力増幅器の片側の入力を止めるとどんな動作になるだろうか?
実は最近音楽を聴きながらシングル出力管の真空管アンプの独特な音を聴いてみたくなった。そこで使っていない6CA7プッシュプル(A級)のアンプをA級シングル化できないかと考えてみた。簡単にこれを実現するには片方の球を抜いてバイアスのみ再調整すればよい。しかしその場合出力トランスの直流磁化の問題が生ずる。プッシュプル用の出力トランスは巻き線を流れる電流が打ち消しあうように作用するため直流磁化は無視して設計できる。だがプッシュプル用の出力トランスをシングルで使おうとすると巻き線の電流は打ち消されず直流磁化されてインダクタンスが減少してしまい、低域特性が悪化する。そこで6CA7の片方をダミーにして逆方向直流アイドリング電流だけ流し、そのグリッドにはバイアス電圧のみにして信号を加えなければトランスの直流電流を打ち消した状態でシングル動作ができるのでプッシュプル用出力トランスでも使用可能になるのではないかと思いついた。しかしこれはそれほど単純ではなさそうだ。片方の6CA7がグリッド入力信号によりスイングされる時、出力トランスの1次側巻き線には信号成分の交流電圧が生ずる。この電圧はトランスの一次巻き線を介してもう一方の6CA7(ダミー)のプレートにも同じ振幅でかつ逆位相に加わることになるから、結局ダミーの6CA7は他方の6CA7により一種のプレート変調されることになる。つまりダミーの6CA7には交流出力電圧が逆位相で加わる。ここで6CA7のEp-Ip(プレート電圧対プレート電流)特性曲線を見るとコントロールグリッドはバイアス電圧一定で信号がなくてもEpの変動に伴いプレート電流が緩やかに概略正比例変動することが推定できる。この結果出力トランスには片方の6CA7の出力以外に変調されたダミー6CA7の信号が加わることになるので歪の発生要因になる。さらにダミーの6CA7は負荷の一部となって出力信号を消費してしまうのではないか?(この辺はあまり自信がない) ややこしい話になったのでこれ以上は 実際にプッシュプルアンプを使って片方のみの動作との比較実験をやってみるほうが早そうだ。予想としては直流磁化を承知でプッシュプルのうち片方の6CA7だけ外した形のほうが良さそうに思える。

真空管式プリアンプ2019年03月23日

3月8日のブログに書いた真空管式メインアンプに組み合わせるためのプリアンプとして作ったもの。使用真空管は全て双三極管。誘導ノイズを極力減らすためヒーターは直流点火で電源部は内蔵せず外付けとした。これにより十分なS/Nが得られた。Phonoイコライザには注意を払い、抵抗とコンデンサは誤差の小さいものを極力探した。SSB用PSNを作るような気持ちだった。このアンプはそれなりに働いてくれたが、その後A502というラックスのDCプリアンプキットを組んだのでこのアンプは引退した。両者に性能の違いは感じられなかったが、使いやすさや置きやすさで自作管球式はA502に及ばなかった。