自然哲学の数学的諸原理を読む(1)2019年03月26日

ニュートンによって書かれた書物でプリンキピア(ラテン語で諸原理の意)と呼ばれ、日本語で原題を訳して「自然哲学の数学的諸原理」と表記される。 高校生の頃は最初からニュートンの慣性の法則、運動の法則、作用反作用の3法則として教えられた。ここでは中央公論社世界の名著:ニュートン自然哲学の数学的諸原理(プリンキピア)を読んでいきたい。そしてニュートンがいかに考えて力学の諸原理を導き出したのか大雑把でもなるべく本に沿って理解を進めたい。
古代より力学には手先の力について幾何学等を用いて理論的に証明しながら厳密に進める理論力学と実用的な職人の精度の低い応用芸(機械学)があった。しかしニュートンは応用芸よりも原理的諸問題に留意し、手先の力のみでなく自然界に存在する重力や流体の抵抗その他幅広い力の概念に亘って取り扱うためこの本を哲学の数学的諸原理として出版した。それは様々な運動の現象から自然界の色々な力を研究し、次にそれらの力から他の現象を説明することを目的としている。内容は3編に分けられる。第一第二編では一般的な数学的命題を扱い、第三編ではその実例として天体現象の解明を行っている。(続く)