AT車とMT車2019年04月21日

高齢者によるAT車の暴走事故が後を絶たない。AT車は運転を楽にしてくれたが危険性はMT車に比べて増加したように思われる。昔、MT車を運転している時に脇道から突然自転車が飛び出した経験がある。咄嗟に急ブレーキをかけてぶつからずに済んだが、その時アクセルにも僅かに右足が掛かっていてエンジンが吹き上がった。しかしMT車の運転ではブレーキをかけるときに同時に左足で必ずクラッチを踏む。これはブレーキを踏むだけだとエンストを起こすためで、MT車を運転していれば必ず身についている。MT車ではブレーキと同時にアクセルが押されてしまってエンジンが吹き上がってもクラッチを切っているからエンジン動力は駆動輪には伝えられず、車はブレーキで止まったままで暴走することはない。しかし、もしこれがMT車でなくAT車だったら、ブレーキと同時にアクセルに足が掛かってしまった場合、車は止まらず前方に進んで事故になっていただろう。AT車のアクセルとブレーキを右足で切り替えながら踏む場合、両方のペダルに足が掛かる可能性は少なくともゼロではない。特に急ブレーキをかけなければならないような緊急状況では両方に足が掛かる危険性は増加する恐れがある。もともと足元を勘で操作しているわけだから緊急時にミスが起こっても不思議ではない。また高齢者は運動感覚や筋力も衰えているのでさらにそのような操作ミスが増えるのかもしれない。AT車で発生している暴走事故は、もしMT車だったら発生していなかったかもしれないと考えると残念なことだ。AT車の暴走事故で、アクセルとブレーキを踏み間違えたと言われることが多いが、以上のような両方踏んでしまう事故も多く隠れているのではないかと思う。これは例えば急ブレーキ時に電磁クラッチを切るような構造にすればAT車でもMT車並の安全性を担保できる。MT車では起こり得なかったことがAT車では潜在的に起こり得る。車メーカーは早く完全な暴走抑止装置を開発して欲しいと願う。