FDAM-32019年04月07日

家に残っている古い50MHzのAMポータブルトランシーバー。単一電池を9本も入れて使うが消費電流が少なく、長時間のポータブル運用が可能な優れ物。井上電機(現アイコム)の製品で半世紀前に購入したものだが今でも使用可能。但し50MHzバンドのAMは現在では出ている局が殆どいない。当時の50MHzAMは学生を中心に人気があり、沢山のハムが出ていて交信相手に不自由はしなかった。これは良い無線機なのだけれど交信中に発振周波数がどんどん動くという問題があった。原因はもともと安定度の低いLC発振なのに加えて、送信受信の切り替えで発振を停止させることが大きな要因。そこで発振は停止させず周波数だけ大きくずらすという方式に改造。これだと常に発振しているのでかなり効果があったが、その信号がスプリアスとして受信時混入する問題が生じた。このため次に考えたのが発振は停止させても発振用FETには電源供給し続けることでFETの特性変動の抑制をはかること。これは成功して安定度を問題ないくらいに向上することができた。このほかに変調が浅いという問題もあった。終段コレクタ変調と同時に励振段にも変調をかけるなどの苦労は見られるが十分ではなかった。この頃のメーカー製の機械はまだまだ問題が多く、それを自分で対策を考え、改良するのも自作とは異なるアマチュアにとっての楽しみだった。この無線機を持ってJH1BENやJH1OCCらと赤城山まで年中出かけ、沢山の局との交信をしたのも古き良き日の思い出。

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