LCRメータの外部電源化を検討する2026年03月01日

LCRメータはインダクタンスやキャパシタンス、抵抗などを測る計測器で電気を趣味とする者には重宝な代物。私はADEXのAX-6200という機種を所有しているが、LCRの他に直流交流の電圧/電流や温度、周波数なども測れるというテスターの拡張版。もうずっと昔、秋葉原の東洋計測器にて購入したもの。当時としては非常に高性能で気に入って購入したが重大な欠点があった。

電源が内蔵電池だけで、それも9Vの006P。006Pは電流容量が少ないため小電流の機器には向いているが、大電流だとあっという間に電池が無くなる。AX-6200の消費電流を測ってみると9Vで12mAだった。12mAは大電流というわけではないが長時間連続で使う用途には向かない。この機器自体連続長時間用途ではなかったのだろう。おまけに006Pは価格も高いし、入れっぱなしだと液漏れするしで結局使わなくなって専ら普段の計測はアナログテスターで済ましていた。しかしアナログテスターでは測れない項目も多く、不便なままだった。

この種の測定器が電池駆動なのには理由がある。ポータブル性は勿論だが、他に商用交流などを測るのに入力回路と電源とを完全に切り離す必要があるからだ。もし商用電源から9VDCを得た場合は1次側と僅かなリークや誘導があっても測定に影響する恐れがある。
例えば測定器自身に電源供給している商用電源を測定するケースなどがある。
また、高圧測定などでは測定器が入力端子以外とは完全絶縁されていることが機器保護や安全上重要となる。

電池駆動にすれば入力端子以外の機器全体が外界から遮断できるが、外部電源にすると測定器自身が外部の電灯線などと繋がって被測定対象との間に電気的ループを生じ、コモンモード電流やノイズの影響を受けやすくなって測定の障害となる懸念がある。
だから電池が嫌なら外部電源に簡単に移れる話ではなく、慎重な検討が必要になる。

そこでまず電源アダプターを吟味してみた。9Vが得られて1次側との絶縁が完全なものが必要なわけだが、手元にあるものは1次側との絶縁性はメガーレベルで確保されているようだった。これなら外部電源として使えそうに思い、LCRメータから取り敢えず外部電源接続用コードを引き出して予備実験してみた。(画像参照)

電池駆動と比較してみた結果、各種指示値の偏差もなく、幾つかの簡易な測定標準サンプルでチェックしても許容誤差内であることが確認できた。通常測定範囲ではノイズの面でも外部電源で問題なく、絶縁性も高圧測定しない限り心配は無さそうだ。
電池消費の問題からは解放されたので長時間の連続モニタリングなどにも使えるようになり、購入から長年経ってやっと生かすことができた。

太陽活動状況2026年03月05日

上図のように現在の太陽活動は低下しつつある(#1)。サイクル25は2024年10月に最盛期を迎えた。
その時点での黒点相対数(黒点数月平均値の13か月間移動平均値)は160.9のピーク値を記録。以降単調に下降。その後2025年8月は118.2が確定。そして現在の2026年3月の推定黒点相対数は約94まで低下している。直近の2月の月平均値は78.2と低く、黒点がほぼゼロの日もあった。

奇数次番号のサイクルはなぜか黒点数のピークが高くなる。太陽は北半球を流れる内部電磁流と南半球を流れる内部電磁流が夫々独自に活動している。太陽の北半球周りの内部電磁流の11年周期での強度変化が南半気球周りの内部電磁流の同変化と位相差が比較的少ない場合は強め合って単峰特性に近づく。これに対し位相ずれが大きくなると北半球のピークと南半球のピークがずれて双峰特性になりやすい。また電磁流の11年周期の強度変化は更に長い周期での強度変化が重畳しているため約100年程度のスケールでの活発期と停滞期のサイクル変化があり、地球環境の変化にも影響を与えている。

サイクル25は低下を続け、2030年から2031年頃に最低期(終期)を迎えそうである。短波帯の高い周波数での遠距離伝播が良好なのはあと2年間くらいだろうか。

#1: Solar Terrestrial Activity Report , 01mar.2026

嶋津輝2026年03月16日

NHKラジオ深夜便のインタビューでこの人の名前を知った。
2026年1月の直木賞受賞者。40代になって小説作法を講座で学んで短編を書き始めたという遅咲きの花。この人の生き方に興味を覚えたので、直木賞受賞作ではなく初期の短編を読みたくなった。

初期作品を図書館で探したら「スナック墓場」という表題の短編集を見つけたので借りて読んでみた。最近は小説も読まなくなったのだが、短編なら大丈夫かと思って読み始めた。
店には婆さんとおかめと軍曹しかいないがなぜか流行っているスナック、製造ラインの女性従業員たちの友情、女中志願の姉と指の無い妹、洗濯物を沢山持ち込む女性客、など市井の人達を主人公にした7つの短編。どれも面白くて一気に読んでしまった。

最近は記憶力が非常に悪くなってドラマなどを観ても殆ど内容が覚えられなくなった。しかしこの7つの短編は読み終わった後ちゃんと思い出すことができる。久しぶりに脳が活性化したのだろう。これらの短編は特別な事件が起きるわけでもない日常の一角を描いているだけのものだが、登場人物は清廉な人達で、しかし独特な一面も持っている。
その少しの謎を基にしたエピソードが興味を引く。

この筆者は小説家としては年齢の割に新進気鋭の人であるが、ベテラン以上に優れた心の描写や表現力と構想力を持っている。天性のものだろうが、小説家になる前は色々な仕事をやったというから、そういう経験がバックボーンになっているのだろう。次はこの人の直木賞受賞作も読んでみたい。久しぶりに期待できる小説家が出現したという思いだ。