オゾン層問題 ― 2019年09月15日
近年ますます日焼けしやすくなった気がする。また日に当たる物の色褪せが早い気もする。感覚的にだが太陽から地球に注ぐ紫外線が増加していないだろうか?紫外線を吸収してくれているのはオゾン層であるが、合成冷媒フロンの登場によりオゾン層破壊が問題となった。フロン(フレオン)は米国のデュポン社などにより生産された冷媒だが、当初はそれまで使われていたアンモニアに代わるものだった。アンモニアは効率の良い冷媒であったが爆発性や毒性の問題があり、多くの人が事故で亡くなる危険な冷媒で、フロンの出現はその安全性・安定性が人命を救う理想の冷媒と称えられた。しかし、80年代初めに南極でのオゾン層観測からオゾンホール拡大が明らかとなった。その後その原因が塩素を含むフロンによるものと判明し、塩素を含むフロンは急速に国際的な全廃の方向に変わった。塩素を含むフロン(CFCやHCFC)は塩素を含まない代替フロン(HFC)例えばR134aなどに置き換えられたが、次に地球温暖化の問題が浮上し、代替フロンはオゾン破壊係数(ODP)がゼロであっても地球温暖化係数(GWP)はまだ高いため、撤廃の方向に進んでいる。南極のオゾンホール拡大もフロン規制の効果で収まりつつある。アンモニアがまず悪者となり、次に出た正義のフロンが副作用という点で実はもっと悪者で、今はアンモニアが地球に優しい自然系冷媒として再評価されるのは科学技術の発展過程によくある皮肉な話である。
オゾン破壊係数(ODP)の高い冷媒は全廃の方向となり、オゾン層問題は解決したかのように思えた。しかし環境省の紫外線強度推移の統計を見ると、相変わらず上昇傾向が有意と判定されている。紫外線が強くなったという感覚もあながち間違いではないようだ。もちろん過去に放出した高ODP物質の影響はすぐに収まるものではないし影響物質は他にもあるが、それにしてもCFCが途上国も含め全世界で全廃後大分経過しているのに紫外線は相変わらず増加傾向にある。これは世界のどこかでまだ隠れてCFCかその類似ガスが作られ、放出されている可能性を示している。最近では中国で断熱材の発泡用にODPの非常に高いR-11が大量に使われていることが判明している。世界のどこかで空調や発泡、洗浄などの用途にCFC/HCFC等がまだ大量に作られ、使われ続けている可能性があるかもしれない。
オゾン破壊係数(ODP)の高い冷媒は全廃の方向となり、オゾン層問題は解決したかのように思えた。しかし環境省の紫外線強度推移の統計を見ると、相変わらず上昇傾向が有意と判定されている。紫外線が強くなったという感覚もあながち間違いではないようだ。もちろん過去に放出した高ODP物質の影響はすぐに収まるものではないし影響物質は他にもあるが、それにしてもCFCが途上国も含め全世界で全廃後大分経過しているのに紫外線は相変わらず増加傾向にある。これは世界のどこかでまだ隠れてCFCかその類似ガスが作られ、放出されている可能性を示している。最近では中国で断熱材の発泡用にODPの非常に高いR-11が大量に使われていることが判明している。世界のどこかで空調や発泡、洗浄などの用途にCFC/HCFC等がまだ大量に作られ、使われ続けている可能性があるかもしれない。
最近のコメント