下植木長尾氏屋敷跡2020年02月14日

散歩コースにしている粕川の土手の反対側にこの屋敷跡があり、堀だけが残っている。館の跡地には樹々が鬱蒼としており、夏には蝉の声が沢山聴こえる。設置されている説明看板によれば、16世紀頃の戦国時代、武家の長尾景治という人物がこの一帯(伊勢崎市の南東部)を治めてここに屋敷を作ったとある。残っているのは写真の逆堀と呼ばれる堀だけだが、この堀は名前の通り流れの方向が変わっている。すぐ脇を流れる粕川は北から南に流れているが、この堀は逆に南から北に向かって遡上するように流れていてちょっと不思議感もある。今の季節は残念ながら水が足りなくて流れは見られないが季節によりその流れが観察できる。構造的には流れの勾配をうまく設計すれば可能だろうが、説明看板を見ても何故流れを逆にしたのかという目的の説明は書かれていない。以前に聞いた話では堀の流れ方向を反対にすることで、ここを攻めてきた敵が方角を勘違いして混乱するように工夫されているということだったと思う。しかし、堀の流れ方向を反転させたくらいで本当に守りの効果があったのかについては分からない。このような逆流れの堀を作った例は他には国内でもあまり見当たらないようだ。

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