オゾン層問題(2)2021年07月15日

オゾン層とは高度10~50kmの成層圏に存在する高濃度のオゾン帯であって、太陽からの有害な波長の紫外線の多くを吸収して地球上の生態系を保護している。オゾン層の破壊は1980年代初めに南極でのオゾン層観測からオゾンホール拡大が明らかとなった。その後その主な原因が塩素を含むフロンによるものと判明し、塩素を含むフロンは急速に国際的な全廃がなされて現在に至る。この成層圏の上には中間圏が高度45~85km程度に渡って存在し、この部分にも濃度は低いがオゾンが存在している。先日、名大・電通大・JAXAなどの共同研究グループがこの領域でのオゾン破壊現象を発見したことを発表した[1]。
太陽表面の爆発で放射される高エネルギー電子が地球の磁気圏で衝突してオーロラが発生する。このうちパルス変動するオーロラが発生したとき、オーロラを発生させる電子よりもずっと強いエネルギーを持つバンアレン帯の高エネルギー電子が大気の中間圏にまで侵入することで中間圏のオゾンが減少することを実証したという。中間圏のオゾンの変化は気候にも影響を与えるという。南極でオゾンホールが発見されてフロンガスが原因とされたが、これは成層圏(高度10~50km)の主オゾン層であり、今回のものは成層圏より上の中間圏のオゾンの減少に関わるものである。

[1] 13July2021 NATURE Scientific Report

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