白内障(その3) ― 2020年03月05日
白内障手術をして2か月が過ぎた。裸眼の視力は0.7で安定して良く見えるようになったが近くを見るには少々不便になった。ド近眼の頃は強い眼鏡が何時でも欠かせなかったが近いものを観察するときは便利だった。眼鏡を外せば通常の人では見えないくらいの細かいものを易々と観察できたから。
1月9日のブログでは、子供のころに眼鏡を掛けさせられた為に近視の度数が急速に進んだと書いたがその思い込みは正しいのか調べてみた。
D.Adlerらの研究 ¹ がある。6歳から15歳までの近視の子供48人のうち23人に完全な矯正をした眼鏡を掛けさせ、25人には完全な矯正度数より+0.5D(Dはレンズの度数単位でレンズ焦点距離の逆数1/m)だけぼやけさせた眼鏡を掛けさせた。この2グループを18か月先まで追跡し、近視の進み傾向を比較した。その結果、完全な矯正をしたグループは+0.5D弱い矯正のグループに比べて少し近視の進み方が遅くなるという結論が得られた。つまり弱い眼鏡を掛けたほうが近視が少し進むということ。この理由についてははっきりしないが、子供の時期は通常遠視傾向があるためボケて見えると遠視によるボケと認識されて遠視を直す方向に眼軸がより伸びる性質があるらしい。
これまで感覚的に眼鏡は弱めにしたほうが度は進みにくいと考えていたのだけれど逆だ。すると自分が子供の頃に近視が急速に進んだのは眼鏡を掛けたせいではなく、むしろその眼鏡の度が弱めだったことが加速要因ということになる。昔我が家は裕福ではなかったため子供の成長につれて眼鏡の度数が合わなくなっても都度新しく買い替える余裕はなく、長い間合わない眼鏡のままで黒板の字もあまり見えない状態だった。だからもし眼鏡を掛けないでいたら更に近視の進行を加速しただろう。もちろん眼鏡の矯正度数の影響はそれほど大きくはなく、遺伝的な要因や生活習慣のほうが強いと言えるだろうから眼鏡を掛けようが掛けまいが度は進んだことになる。ただ、子供のころに眼鏡を掛けさせられたのが強い近視になった主原因と思い込んでいたことや、眼鏡は子供でも弱めの度数に矯正するべきだと考えていたのは間違いだったという事がやっと分かった。
注1. D.Adler et al The possible effect of undercorrection on myopic progression in children - Clinical and Experimental Optometry October 2006
1月9日のブログでは、子供のころに眼鏡を掛けさせられた為に近視の度数が急速に進んだと書いたがその思い込みは正しいのか調べてみた。
D.Adlerらの研究 ¹ がある。6歳から15歳までの近視の子供48人のうち23人に完全な矯正をした眼鏡を掛けさせ、25人には完全な矯正度数より+0.5D(Dはレンズの度数単位でレンズ焦点距離の逆数1/m)だけぼやけさせた眼鏡を掛けさせた。この2グループを18か月先まで追跡し、近視の進み傾向を比較した。その結果、完全な矯正をしたグループは+0.5D弱い矯正のグループに比べて少し近視の進み方が遅くなるという結論が得られた。つまり弱い眼鏡を掛けたほうが近視が少し進むということ。この理由についてははっきりしないが、子供の時期は通常遠視傾向があるためボケて見えると遠視によるボケと認識されて遠視を直す方向に眼軸がより伸びる性質があるらしい。
これまで感覚的に眼鏡は弱めにしたほうが度は進みにくいと考えていたのだけれど逆だ。すると自分が子供の頃に近視が急速に進んだのは眼鏡を掛けたせいではなく、むしろその眼鏡の度が弱めだったことが加速要因ということになる。昔我が家は裕福ではなかったため子供の成長につれて眼鏡の度数が合わなくなっても都度新しく買い替える余裕はなく、長い間合わない眼鏡のままで黒板の字もあまり見えない状態だった。だからもし眼鏡を掛けないでいたら更に近視の進行を加速しただろう。もちろん眼鏡の矯正度数の影響はそれほど大きくはなく、遺伝的な要因や生活習慣のほうが強いと言えるだろうから眼鏡を掛けようが掛けまいが度は進んだことになる。ただ、子供のころに眼鏡を掛けさせられたのが強い近視になった主原因と思い込んでいたことや、眼鏡は子供でも弱めの度数に矯正するべきだと考えていたのは間違いだったという事がやっと分かった。
注1. D.Adler et al The possible effect of undercorrection on myopic progression in children - Clinical and Experimental Optometry October 2006
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