COP252019年12月13日

COP 25(The 25th session of the Conference of the Parties to the United Nations Framework Convention on Climate Change:第25回国連気候変動枠組条約締結国会議 )は13日までマドリードで開催されている。日本は温暖化対策を妨げる代表的な国として化石賞が環境NGOから与えられた。理由は日本が温暖化ガス排出削減目標を引き上げられず、石炭火力発電への姿勢を変えていないことによる。また異常気象による世界で最も深刻な被害を受けたのは記録的豪雨や台風の被害を受けた日本だったとも発表された。温暖化対策への取り組みの評価では、日本は61カ国中51位と低い。上位はヨーロッパ諸国が多く、アジア主要国の中でもインドは9位、中国30位と日本より遥かに高い。これには色々な事情がある。ヨーロッパが比較的評価が高いのは再生可能エネルギー発電への積極取り組みもあるが、まだ原子力発電への依存度も高いためである。太陽光などの再生可能エネルギーによる発電は原理的に出力が安定せず昼夜の変動が極めて大きいから原子力発電などの安定発電源で補わなくてはならない。しかし日本では福島の事故により原発稼働割合が極端に減少したため火力発電により需要変動を補完して安定化調整せざるを得ない。他方、二酸化炭素の排出量については中国が最大で、アメリカ、インド、ロシア、日本と続く。また国民一人当たりの排出量はアメリカが最大で、韓国、ロシア、日本と続き、中国はずっと低い。中国は貧困層が多く平均するとエネルギー消費が少なくなる。いずれにしても、どのような指標においても日本は悪さで上位にある。深刻なのは日本の場合、原発が用をなさないため打つ手が限られる点にある。日本ではこれまで長い間、原発の恩恵を受けてきた。このため、深夜電力を余らせないように使う給湯システムやコンビニ等の24時間営業、深夜電力料金の大幅値引き、不夜城のような都会、24時間操業などが疑問もなく定着し、多くの人の生活もそれに合ってしまっている。火力発電を抑制しつつ電力源を再生可能エネルギー主体にするには原発の稼働率をもっと増やす必要がある。これが無理であれば、できることは国民が今の贅沢な生活レベルを下げる方法がある。一旦享受した生活レベルを下げるのは難しいが、夜中の消費電力を徹底的に下げること。こうすれば昼間余って夜間に不足する再生可能エネルギーを補完する火力発電は不要となる。これまで努力してきた電力消費量の変動の吸収安定化ではなく、発電出力の昼夜変動に合わせた消費形態にする。このためには夜間の電気料金を現在のように割安にするのを止め、逆に極端に値上げすることが有効になる。現実には色々な問題が生ずるため以上述べたように単純な話ではないが、発電量変動にダイナミックに追従するような発想の転換も必要かもしれない。