CDプレーヤの整備(2)2021年01月13日

温度の影響を調べるために朝方の冷えた状態からCDを聞いてみた。やはり音飛びが起こる。そして室温が上がると音飛び現象は少なくなるがまだ偶に発生する。このことからピックアップ以外の要因としてピックアップ位置を制御する機構動作の問題があるかもしれないと考えてみた。再度ミニコンポを分解してCDプレーヤの調査を始めた。機構を小一時間観察した結果次のことが分かった。ピックアップはラック歯によるスライド機構の台に取付られてラックの出入りによって位置がスライドするようになっている。ラックは噛み合う平歯車の回転角により位置が変わる。そして平歯車はサーボモータからの駆動により回転角を変える。サーボモータはCDトラックの読み取り信号によりピックアップが狙い位置になるようにサーボ制御している。問題はラック歯車と平歯車の噛み合い部分で、ラックの歯が普通の歯ではなく、2枚のラックが重ね合わされ、その間にスプリングが入って突っ張り合っている。この状態で2枚のラックの歯が平歯車の歯を挟むように噛み合っている。つまりギヤの噛み合い時にどうしても生ずる隙間によるバックラッシをゼロにするように巧妙なダブルギヤ機構を形成している。ここにグリスが塗られているが経時的に硬化していて噛み合い動作やダブルギヤ動作の抵抗となって邪魔するかあるいは2枚のラックのグリスによる張り付きの可能性がある。このため温度が低いほど位置のエラーを生じやすいと考えられる。これを解決する手段としてはグリスの介在による抵抗に勝てる力で歯を押し付けることが考えられる。そのためにラック歯間に与えるバネ荷重を大きくするのも有効かもしれない。試しにラック歯の噛み合い位置を1歯分だけずらし、スプリングをより圧縮して荷重を増やした状態で平歯車と噛み合うように2枚のラックの相対合わせ位置を変更してみた。この状態で組み直して作動テストを開始。音飛びは無いように見える。ただ低温の状況をまだ十分作りきれていないので検証は十分でない。
但し、2枚のラック歯がグリスによって張り付いていた場合スプリング力を増さなくても単に2枚のラックの張り付きを改善するだけのほうが良いかもしれない。スプリング荷重を増やすことは2次的な悪影響を生じる可能性もあるので。

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