エアコンの温度 ― 2024年07月10日
暑くなってくると熱中症の恐れがあるのでエアコンを28℃に設定しましょうという呼びかけを良く聞く。しかし年寄り達は中々エアコンを使おうとせず熱中症が頻発することになる。これには2つの原因が考えられる。一つ目は年寄りにとって28℃は冷えすぎの事が多く必ずしも快適ではないこと。もう一つは冷えすぎる設定はエアコンの電気料金が跳ね上がること。一般的には28℃という温度設定は冷やしすぎではなくむしろエコに近い設定温度と考えられている。それなのに年寄りがなぜ冷えすぎで不快と感じることが多いのか?を考えてみたい。
エアコンは通常設定温度に近づけるようにコンプレッサーの能力をインバータ制御し、同時に室内機のファン速度等も制御して早く目的温度に到達するよう自動制御を行う(通常の自動設定の場合)。目的温度に達するとその温度を維持するように冷房能力を下げて運転を継続する。設定温度は室内機の吹き出し空気温度ではなく、室内の平均温度である。この温度の捉え方はエアコンにより異なるだろうが、家にある古いエアコンで測ってみると室内機の吸い込み側の空気温を検知しているように思える。従ってエアコンから吹き出す風を受けている場合、室内温を下げるような動作中(プルダウン状態)の冷風温度は低めで強い風量傾向であり、一旦目的温度に達すると冷風温度はほぼ設定温度に近い温度で安定し、風量も最小になる。つまりエアコンはプルダウン領域では最大能力で運転され、到達温度領域に入ると容量制御運転に変わる。だから同じ28℃設定でも体感上はエアコンがどの動作点にあるかで大きく違いが出る。プルダウン動作中は寒過ぎるように感じるし、安定域ではやや冷えが甘いと感じるかもしれない。また外気温が高い場合ほどエアコンは能力を上げて動作するので吹き出し温は下がり、肌を刺すような痛みさえ覚えることになる。
エアコンを自動に設定するのは効率も最適化できるので良いのだが問題はその設定温度。馬鹿の一つ覚えの28℃ではなく、もっと設定温度を上げること。例えば30℃くらいに設定しておいたほうがプルダウン時間も短くなって冷え過ぎ感もなく安定温度に早く到達する。30℃の安定温度だとやや暑く感じる恐れもあるが、年寄りの代謝エネルギーは低くて多少高めのほうが快適である。補助として扇風機を併用すれば30℃でも十分な冷房感が得られる。体感への調整は扇風機の風量で行い、エアコンは最小の能力で使う。これにより冷えすぎの不快感も無く、電気代も節約ができて熱中症も防ぐことができるだろう。
(但し快適性は温度だけでなく湿度が重要なファクタとなる)
エアコンは通常設定温度に近づけるようにコンプレッサーの能力をインバータ制御し、同時に室内機のファン速度等も制御して早く目的温度に到達するよう自動制御を行う(通常の自動設定の場合)。目的温度に達するとその温度を維持するように冷房能力を下げて運転を継続する。設定温度は室内機の吹き出し空気温度ではなく、室内の平均温度である。この温度の捉え方はエアコンにより異なるだろうが、家にある古いエアコンで測ってみると室内機の吸い込み側の空気温を検知しているように思える。従ってエアコンから吹き出す風を受けている場合、室内温を下げるような動作中(プルダウン状態)の冷風温度は低めで強い風量傾向であり、一旦目的温度に達すると冷風温度はほぼ設定温度に近い温度で安定し、風量も最小になる。つまりエアコンはプルダウン領域では最大能力で運転され、到達温度領域に入ると容量制御運転に変わる。だから同じ28℃設定でも体感上はエアコンがどの動作点にあるかで大きく違いが出る。プルダウン動作中は寒過ぎるように感じるし、安定域ではやや冷えが甘いと感じるかもしれない。また外気温が高い場合ほどエアコンは能力を上げて動作するので吹き出し温は下がり、肌を刺すような痛みさえ覚えることになる。
エアコンを自動に設定するのは効率も最適化できるので良いのだが問題はその設定温度。馬鹿の一つ覚えの28℃ではなく、もっと設定温度を上げること。例えば30℃くらいに設定しておいたほうがプルダウン時間も短くなって冷え過ぎ感もなく安定温度に早く到達する。30℃の安定温度だとやや暑く感じる恐れもあるが、年寄りの代謝エネルギーは低くて多少高めのほうが快適である。補助として扇風機を併用すれば30℃でも十分な冷房感が得られる。体感への調整は扇風機の風量で行い、エアコンは最小の能力で使う。これにより冷えすぎの不快感も無く、電気代も節約ができて熱中症も防ぐことができるだろう。
(但し快適性は温度だけでなく湿度が重要なファクタとなる)
陰謀論 ― 2024年07月20日
最近ある人から日航機123便の墜落事故原因について話が挙がった。随分古い話を持ち出すと思ったら、真相は森永卓郎によればこれまで報告されていることと違うという話。この事故については後部圧力隔壁の修理ミスによる金属疲労破断が原因で決着した筈であり、運輸省航空事故調査委員会の報告書「日航機事故報告書」及びその付録である試験研究結果で詳細が検討されている。その内容は読んでみた限り客観的論理的に検証がなされ、懐疑的な見方を差し挟む余地の少ないものに思える。航空機事故は多くの尊い人命を失う取り返しのつかない問題である。だから同じ原因による事故を再発させないよう徹底的な原因究明が必須となる。この事故から得られた知見に基づき、修理確認プロセスの見直しや隔壁が破断しても流出空気流が垂直尾翼や油圧系統を破壊しないようなフェイルセーフ設計、隔壁強化などの対策がなされた。
しかし一方、青山透子とかいう人の書いた当該事故に関する奇妙な陰謀論も出回っている。
先日本屋で森永卓郎の「書いてはいけない」という本がベストセラーで陳列されているのを見つけて、これかと思って少し立ち読みしてみたが買う価値は無いと判断した。
この本の中の日航機事故についての内容は森永卓郎の独自見解ではなく、青山透子という人の書いた本をそのまま受け売りしているだけのようだった。ネットで読者の書評を見ると随分多くの人がこの内容を信じているようなのには驚いた。裏付けの無い突飛な陰謀論だが、読んだ人が簡単に信じてしまうことにカルト宗教のような危うさを覚えた。森永卓郎は航空機事故に関し何の知見も無い素人ゆえ簡単にこのようなトンデモ話を信じてしまったのだろう。非専門家であっても知名度だけは高いから陰謀論の広告塔になってしまう。
人はなぜ荒唐無稽な陰謀論を信じてしまうのか?
事実やデータや試験解析を積み上げて原因究明した結果よりも、裏付けのない憶測や空想で組み立てた根拠薄弱な話の方が意外性があって飛びつきやすいのだろうか?
陰謀論には信憑性の高い証拠や根拠が提示されておらず話に飛躍があるという特徴がある。従ってあくまでも懐疑的批判的に捉える精神を普段から養っておくことで、このような書物に出会っても耐性を保持できる筈である。
しかし一方、青山透子とかいう人の書いた当該事故に関する奇妙な陰謀論も出回っている。
先日本屋で森永卓郎の「書いてはいけない」という本がベストセラーで陳列されているのを見つけて、これかと思って少し立ち読みしてみたが買う価値は無いと判断した。
この本の中の日航機事故についての内容は森永卓郎の独自見解ではなく、青山透子という人の書いた本をそのまま受け売りしているだけのようだった。ネットで読者の書評を見ると随分多くの人がこの内容を信じているようなのには驚いた。裏付けの無い突飛な陰謀論だが、読んだ人が簡単に信じてしまうことにカルト宗教のような危うさを覚えた。森永卓郎は航空機事故に関し何の知見も無い素人ゆえ簡単にこのようなトンデモ話を信じてしまったのだろう。非専門家であっても知名度だけは高いから陰謀論の広告塔になってしまう。
人はなぜ荒唐無稽な陰謀論を信じてしまうのか?
事実やデータや試験解析を積み上げて原因究明した結果よりも、裏付けのない憶測や空想で組み立てた根拠薄弱な話の方が意外性があって飛びつきやすいのだろうか?
陰謀論には信憑性の高い証拠や根拠が提示されておらず話に飛躍があるという特徴がある。従ってあくまでも懐疑的批判的に捉える精神を普段から養っておくことで、このような書物に出会っても耐性を保持できる筈である。
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