ADSLの終焉2021年03月07日

先日、自分の使っているインターネットプロバイダからADSL終了の予告通知が届いた。今年の9月30日をもって終了するとのこと。ADSLは既存の電話回線に高周波を重畳してスペクトラム拡散変調という方法でデジタル信号を小分けして広い周波数帯/時間帯に分散させ、受信側で再構成する通信方式である。ADSLが出現するまではパソコン通信と呼ばれる電話音声帯域を使ったモデムによる低速な通信方式が使われた。米国から国際電話で日本に繋いでパソコン同士による通信を試みて感激した思い出がある。しかしネットスケープナビゲータなどのブラウザが出現し、今と同じようなWeb閲覧が行われるようになって通信速度のあまりの遅さがネックとなった。何より毎月の電話料金が悩みの種であった。2000年頃からADSLが開始され、その速度に驚くとともに料金も定額化して利用者数は鰻上りとなってADSLの絶頂期を迎える。それから20年が過ぎて今やADSLの利用者は3%程度にまで落ち、NTTのお荷物となった。古い者は容赦なく切り捨てられる。NTTは2025年までに銅線を伝送線とした所謂メタル電話からIP電話化する決定をし、これに伴ってADSLも順次廃止の方向となった。廃止まではまだ少し時間があると思っていたが実際は前倒しされ、今年中に多くのADSLが終了する。ADSLは収容局からの距離が近いエリアしか使えない欠点があったが、既存の電話線をそのまま伝送線として使える有難さがあった。実際今まで何の不満もなく低額で便利に使えてきた。だが終了してしまうのでは残念だが他の手段に移行する準備を始めなくてはならない。
今後の主な代替手段としてはLTEなどを使う無線方式や光ファイバー方式がある。しかしこれらはADSLに比べると料金がバカ高い。仕方ないので当面はスマホを無線アクセスポイントにするテザリング方式で凌ぐことにした。これなら費用は安くて済むが使い勝手などの問題が多く発生する。私の場合、特にメインのPCだけでなく、無線通信用の古いPCの時刻補正のため常時NTPサーバのアクセスができる必要がある。GPSによる自前の時刻補正も可能だが古いOSでは対応できない。このPCは有線のLANで回線に結ばれており、テザリングやWIFI方式のモバイルルーターでは有線LAN端子がないのでネックになっていた。必要なのは有線LANを無線に変換するLANコンバータだが手持ちはない。そこで市内にあるハードオフに行ってジャンク品を漁ったら110円のUSB接続のwifi子機が使えそうに思えた。バッファローのWLI-UC-Gという、USBメモリサイズのコンパクトなもの。安いのでゴミを承知で購入してみた。早速装着してみると問題なく自動接続し無線LAN速度も54Mbps出ている。スマホをwifiルーターにして無線接続してみるとNTPサーバーからの時刻較正も0.1秒程度の見かけ誤差に収まった。今後固定的なインターネット接続手段としてWIFIにするか光回線にするかはわからないが、どの手段でも対応可能になったので選択の自由度が広がった。

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