自転車の修理 ― 2019年07月12日
今日は久しぶりに自転車の修理を行った。大昔に購入して殆ど新品のまま使っていない自転車が修理の対象。これはブリジストンのグランテックというもので、旅行用に適した折り畳み自転車。タイヤは700C(27インチ)と大きく、ワンタッチで折りたためるのが気に入って購入した。しかし買って間もなく変速機の切り替えレバーが滑ってギヤの切り替えができなくなり、長い間物置に保管したままになっていた。最近もう一台のロードバイクのタイヤが駄目になったのでこのグランテックを復活できないものかと思い、変速レバーを交換しようと計画。しかしその前に悪あがきで不具合変速レバーを分解してみた。構造は変速機からの制御ワイヤーを巻き取る歯車機構とこの歯車溝に爪を引っ掛けて歯車を動かすカムと、カムを動かすレバーとから成っている。レバーを動かして観察してみるとカムの爪が歯車に食い込まず滑ってしまう。カムは巻きバネにより歯車に押し付けられるはずだが、動きが鈍く追従していなかった。カムは円柱状ピンにはめ込まれているのだが、ピンとカムとの摩擦抵抗がバネによるトルクよりも大きいためにうまく戻らない。円柱状ピンとカムの孔のはめ合い隙間にはグリスが充填されており、このグリスが固いため大きな摩擦トルクを生じていると考えられる。そこではめ合い部を洗ってグリスを除去し、代わりに粘性の低いマシン油を塗った。その結果カムは滑らかに動けるようになった。操作レバーは変速比UP/DOWNの2つがあり、2つのカムが使われているので両方同じように洗浄し塗油した。この結果、カムはレバー操作に確実に応答してギヤ切り替えができるようになって一件落着。機械製品の回転軸部にはグリスが塗られていることが多いが、回転軸と軸受け穴との微小隙間にグリスが入ると摩擦トルクが大きくなる。しかもこのグリスが時間経過でさらに粘性が高くなると軸はほぼロックされた状態になってしまう。放置した機械の回転部が回らなくなるのは大体これが原因である。今回のカムによる機構が動かなくなったのはカムを押し付けるバネトルクに対し、カムの軸部の摩擦トルクが上回ったのが原因であるが、設計時に想定したグリスの粘性抵抗の経時的な変化範囲が実際より大幅に低かったという設計条件のエラーもありそうだ。材料の経年劣化は多くの製品で繰り返し続いている問題であるが、設計的な問題も含んでいると言えるだろう。
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