扇風機が壊れた2025年07月01日

古い扇風機のスイッチを入れると暫くは動作しているが、突然停止するようになった。
もう廃棄した方が良いほど使い古した物だが、廃棄するのも新しいのを買いに行くのも面倒なので一応分解して調べてみた。

扇風機の回路など知らないしどういう動作なのかも分からなかったが、配線を追うとある程度は想像がついた。モーターからは4本の線が出ていて電子回路基板に繋がれていた。
茶色線が共通線で、青黄灰色の3本はそれぞれ高速、中速、低速の巻き線で、このうち一本を選ぶことでモーターが所定速度で回る。青黄灰の3線はトライアックに繋がっていて、トライアックの3つのゲート電圧を制御することで速度切替を行う。ゲート電圧の制御は1チップのマイクロコンピュータで行っているようだ。押しボタンスイッチがマイコン回路に繋がっていて、スイッチを押すとゲートが選択されてモーターがこれに応じた速度で回る。

不具合は恐らくトライアックかマイコンと思われるがこれ以上は調べるすべが無い。
仮に悪い部品が見つかっても交換部品は手に入らないだろうし、何より原因追及は面倒過ぎる。そこで電子回路は切り捨てて、モーターだけ使うことにした。

扇風機は低速でしか使っていなかったので灰色線と茶色線を試しにAC100Vに繋いでみると正常に低速回転してくれた。この状態で半日程度連続試運転をしてみたが問題なし。
取り敢えずこれで組立直してみた。コンセントにプラグを差し込むと低速運転を始め、止める時はプラグを抜くという原始的な扇風機になった。
ACラインに手動のスイッチを入れればON/OFFだけはできる。
これで暫く使ってみることにした。電子基板は外したため待機電力がゼロになるというメリットもある。

モーターケースを触ってみると以前よりも熱くならない。ファンが運転中に停止する原因は推定だが、トライアックに繋がる3本のモーター線のうち1本を選択した時に残りのいずれかにも何らかの異常動作で電圧がかかり、モーターが発熱停止したのではないだろうか?
モーター自身に真因が潜んでいる可能性もある。

いずれにせよ、最もシンプルな形で修復したので今後モーターの寿命を全うするまで働いてくれるだろう。これをオッカムの剃刀的修理法と名付けたい。