アマゾン森林火災の深刻さ2019年08月23日

アマゾン地域は地球上の熱帯雨林の半分程度を占めている。そのうちの60%がブラジルにある。このブラジルのアマゾン熱帯雨林で、今年の1月から8月までの間に約7万5千件の森林火災が発生しており、今も何千件もの森林火災が猛威を振るっている。その規模は、過去観測開始以来最大であり、昨年の同期間と比べても約2倍近い発生件数となっている。この火災により、大量の二酸化炭素や一酸化炭素が放出されており、地球規模の環境破壊が憂慮されている。アマゾン地域には約300万種もの動植物と100万人もの住民が暮らしている。この地帯での今年の天候は平年と大差ないため、森林火災の原因は人為的なものである可能性が高い。まず考えられるのが今年1月に就任したブラジルの現政権ボルソナロ大統領による規制緩和策であるとされる。森林の開発が緩和されたことにより、乱開発が横行する。その方法は手っ取り早く、乾期に森林に火をつけることで広大な牧草地を生み出すというやり方である。火災による森林減少の人工衛星観測データはブラジル国立宇宙研究所(INPE: Instituto Nacional de Pesquisas Espaciais)が報告したものだが、今年6月と7月のアマゾンでの森林減少比率が前年同月比で88%増加したと発表。大統領はこの研究所の所長を解任した。しかし各科学機関はINPEのデータを支持している。結局ボルソナロ大統領の経済優先の姿勢が森林開発業者や農家による乱開発を促進させた可能性が高い。一人の独断的な為政者の意思により地球規模での環境破壊や気候変動を引き起こし、全世界を危険な状態にする。これがナショナリズムによる狭量な自国繁栄指向のもたらす結末のようだが対岸の火事というわけには行かない。ブラジル(ボルソナロ)にとってはアマゾンは何の利益も生まない無駄な資産に過ぎず、これを農地化して利用するほうが彼らには正義かもしれない。ブラジルによる自国の乱開発を止めさせるには結局、それに代わる産業や資金の援助を全世界が行っていくなどの必要があるだろうが、果たして有効な解決策があるのか極めて深刻な状況だ。