世界難民の日2019年06月18日

明後日6月20日は世界難民の日。もともとはアフリカ難民条約発効を記念したアフリカ難民の日だった。これが世界的に深刻化している難民問題に拡張され、難民の保護や援助に対する世界的な関心を高めることや難民支援を行う国連機関やNGOの活動への理解を深め、故郷を追われた難民の逆境に負けない生き方に敬意を表す日となった。
世界でこれまでに故郷を追われた人の数は凡そ6500万人に上る。そのうち国外に避難している難民は約2500万人。主な難民の出身国上位はシリア、アフガニスタン、南スーダンである。また、難民受け入れ国上位はトルコ、パキスタン、レバノン、イランなど。先進国の中ではドイツの約70万人に対し日本は極端に少なく3000人位しか受け入れていない。日本では2017年の難民申請者2万人に対し認定されたのはたった20人しかいない。2018年でも申請1万人に対し認定者は40人だ。しかも申請して判定が出るまでに2年半もかかる。このように日本は難民に対して非常に厳しい国である。日本人は難民問題に関心を持つ人が少ないため、政治家も票の取れない課題を重要事項として取り組むことはない。日本人は同質性を好み、排他的で、外国からの人の流入に対し治安悪化などの偏見を持っていることが政治にも反映されているのだろう。その一方、日本は人口減少が続いて高齢化が深刻になっている。この問題を解決するため子供を産むことに関しては最優先課題として取り組んでいるが、その反面海外からの移民受け入れには極めて消極的である。これは日本人の民族主義意識の強さによるものか。この意識を変えていくことは容易ではないが、もう一度民族とは何か、国とは何かについてよく考えてみる必要がある。世界は偏っている。一方で食料が余り人口減少で悩む国があり、他方では貧しく食べ物もない人口過多な国がある。富や人口が均されるグローバル化は自然の流れである。外国からの移民であっても日本の国籍を得れば日本人である。日本の地に定着して二世三世が育ってくれれば日本の人口を維持することができる。難民や人口過剰な国の人を積極的に受け入れて日本に帰化してもらうならお互いに有難い筈。移民に対する狭い門を見直すには国民の意識の転換が大事だ。まずはその一歩として難民について知ることから始める必要がある。アマチュア無線でも、アフリカの国々との交信は珍重されるが、珍しい地域との交信を喜ぶだけでなく、それらの地域に暮らす人々について時に思いを馳せたい。

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