光の速度を計算する2019年06月12日

ある人と光の速度の話が出たので、昔自分でやったことのある光速の手計算をしてみた。中高校生にもわかる簡単な計算なので子供にやってみせると面白がってくれるかもしれない。

光速はマクスウェルの電磁波方程式から導ける。マクスウェル方程式にはファラデー則などいくつかの法則が含まれる。そのうちファラデーの電磁誘導則とアンペールの法則から
ファラデー則は μ・∂B/∂t=∂E/∂x (1) (電磁誘導の法則)
μ真空の透磁率、B磁場、E電場
またアンペールの法則から ∂B/∂x=ε・∂E/∂t (2)
ε真空の誘電率
そして電磁波を単振動の波とすれば
    E=E0sink(x-ct)  (3)
    B=B0sink(x-ct)  (4)
で表されるはず。cは光速 E0は電場の振幅、B0は磁場の振幅
(3)(4)を式(1)と(2)に代入して
    -μB0c=E0
       B0=-εE0c
従って εμ=1/c²
c=1/√(εμ)  (5)
が得られる。(5)式に真空の誘電率εと透磁率μを入れて光速cが算出できる。
真空の誘電率εと透磁率μは理科年表より(単位はSI基本単位を使用)
ε=8.85419x10e-12 (S⁴A²)/(m³kg)  但しS秒、Aアンペア、mメートル、kg質量、 10e-12は10のマイナス12乗を意味する
μ=1.25664x10e-6 (mkg)/(S²A²)
これを(5)式に代入して光速cは
c=2.99792x10⁵km/s=29.9792万km/s が得られる。

光速度とは直接関係なさそうな電界と磁界から光速(電磁波の伝播速度)が導出できるのはある意味感動しないだろうか?光が電界と磁界の相互作用ということも実感できる。光には質量がなく、単に波動が伝播しているだけなので光速になることができるとも言える。また、それゆえ光速以上の速度がない理由になるのだろう。

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