アーベル2019年04月06日

今日はガロアと並ぶ数学者アーベルが1829年に26歳の若さで亡くなった日。同時期に同じ分野で二人の若くして亡くなる天才が別々に輩出するのも興味深い。前にガロアについて書いた時に少し付記したが、アーベルは5次方程式が代数的な一般解を持たないことをガロアよりも早く証明した。但しこれは5次以上の代数方程式に根がないということではない。数学は殆ど独学で研究したアーベルも不遇で、他にAbel方程式、楕円関数論、2項級数論など数々の輝かしい成果にも拘わらず生前あまり認められなかった。アーベルの論文は自然な着想で流れて読みやすいと言われている。アーベルらの研究により、数や数式の集まりの間で四則演算が自由にできるものを調べておくのが便利であることが分かってきた。これが“体(field)”と今日呼ばれる。アーベルの仕事を間接的に受け継ぎ、方程式論に根本的な改革を行ったのがガロアだが、ここに至って5次以上の代数方程式が代数的に解けないことも、任意の角の3等分問題や立方倍積問題が定規とコンパスでは解けないこともすべて明快に説明できるようになった。

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