自然哲学の数学的諸原理を読む(3)2019年03月28日

第1編 物体の運動について 
第1章 最初の比及び最後の比の方法について
いくつかの量またはその量の間の比が絶えず相等しくなる方向に向かい、その終わりに近づくほどますます任意に与えられた差よりも近づくとそれらの量や比は(極限で)等しくなる。これは例えば任意の閉曲線を持つ図形を細かく分割した四角形で近似するときその閉曲線の外側に接するように近似した外接図形の面積と、閉曲線の内側に接するように近似した内接図形の面積とは、分割を極限まで小さくしていくと等しくなるように収斂するということと理解できる。これは分割四角形を用いた任意図形の近似による求積法であり、積分法そのものである。極限の基本的な概念と、この考え方により接線の性質を扱ったり量や長さを極限までの微小部分に分けて扱う微分法と、それらを総計することにより元の量や曲線を導き出す積分法をツールとして創出し、これを利用して様々な運動の解析が行えるようになったと言える。
第2章では回転する物体の動径の中心に向かう力即ち向心力を見出すことについて、曲線の動径の回転角度変化を幾何的に小さく分割することで面積速度一定の法則を証明し、動径の半径と物体の周期、速度、向心力の関係を導いている。
第3章では楕円や双曲線・放物線などの離心円錐曲線上の物体の運動について論じている。命題11において中心に向かう向心力が、運動する物体の距離の2乗に反比例する万有引力から、楕円軌道となることを示している。
第4章では楕円軌道・放物線軌道・双曲線軌道を与えられた焦点から見出す幾何学的な方法について論じており、第5章ではそれらの焦点が与えられない場合の軌道の見出し方を述べている。このようにして第14章まで続き、次の第2編では粘性などの抵抗を受ける媒質中や流体の運動について論じている。基本的な部分は以上の中で最初の定義と運動の法則及び第1編の第1章から第3章までであるので大雑把ではあるが以上をもって第2編までは終わりとする。(続く)

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