自然哲学の数学的諸原理を読む(2)2019年03月27日

第一編に入る前にまず定義がある。
定義1:質量とは物質の密度と体積との積である。定義2:運動量とは速度と質量の積である。定義4:外力とは物体の状態を変えるために物体に及ぼされる作用。定義5:向心力とは中心とするある点に向かわされる力。定義7:向心力の加速量とは与えられた時間内の速度変化である(加速度の定義) 。定義8:力を起動力、加速力、絶対力と分けて定義しているが意味を掴みかねる。ニュートンの力に関する概念が現在の考え方と少し違うようだ。また注として、空間を絶対的な空間と相対的な空間と分けている。ニュートンの絶対空間とは不動不変の空間であり、現在言う慣性系のことか?相対的空間は変化している空間を指しているようだ。運動も絶対運動と相対運動に分けている。
これらを踏まえ、次に法則を述べている。法則1:物体は静止または運動の状態を外力によってその状態を変えられない限りそのまま続ける(運動の第一法則)。法則2:運動の変化は及ぼされる起動力に比例し、その力が及ぼされる直線の方向に行われる(いわゆる運動の第二法則とは表現がやや異なっている)。法則3:作用に対して反作用は常に逆向きで相等しい(運動の第三法則)。
これらは現代において説明されるニュートンの法則と本質は同じと言えるのだろうが表現が異なっている。第一法則第三法則は現代の法則表現と同じだが、第二法則は運動の変化を加速度aとし、力をF、質量をmとしたときa=F/mだと理解するなら所謂運動の第二法則を示していることになる。 
この法則の説明の中で系として力のベクトルの合成・分解、物体の衝突前後の運動量の保存、多数の運動する物体の共通の重心の運動は変わらないことなどについて述べている。(続く)

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